AKAMAI TECHNOLOGIES INCAKAM

時価総額
$125.6億
PER
コンテンツ配信・セキュリティ・分散コンピュート事業の最大手。4,300超のエッジ拠点とAPI保護やクラウド型コンピュートを展開。2024年6月にAPIセキュリティ企業を4億5230万ドルで買収。約130カ国700都市以上で展開。

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企業概況
111文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

AKAMAI TECHNOLOGIES INCは、企業のウェブサイトやアプリを高速かつ安全に配信するための大規模なネットワークと関連サービスを提供しています。 同社は世界各地に分散した配信拠点を運用し、コンテンツ配信の高速化、サイバー攻撃からの防御、そして分散型の計算環境の提供を行っています。

同社の顧客は大手のオンライン事業者、メディア企業、金融機関、小売業、通信事業者に加え、政府機関など多岐にわたります。 収益は主に定額契約や使用量に応じたサービス料金から成り、特定顧客への依存度は低く、どの年も単一顧客が全体の10%を超えることはありません。

同社は事業を大きく「セキュリティ」「配信(パフォーマンス向上)」「分散型コンピューティング」の三分野で展開しています。 セキュリティでは攻撃検知や防御、API保護を提供し、配信では動画やウェブの高速配信を実現、分散型コンピューティングでは利用者に近い拠点でアプリを動かす環境を整備するとともに、導入支援やチャネルパートナーを通じた販売にも注力しています。

経営方針

同社は安定した成長と収益の両立を目指しています。2024年の売上高は約39.9億ドルで、前年から約4.7%の増加となり、とくにセキュリティが約20.4億ドル(前年約17.7億ドル)と成長の柱になっています。クラウド型の基盤である「コンピュート」分野も約6.3億ドルへ拡大し(前年約5.0億ドル、約25%増)、同社はこの高成長領域の拡大を重点課題と位置づけています。契約上の残りの収益見込み(remaining performance obligations)は約43億ドルあり、同社はその約60%を次の12か月で収益化する計画です。

同社は成長投資の重点をセキュリティとコンピュート領域に置き、差別化は広域に分散したネットワークと運用上の可視性で図っています。世界約4,300のエッジ拠点と約1,200のネットワークパートナー網を活用し、トラフィックや攻撃パターンの洞察をサービスに反映しています。具体的施策としては、APIセキュリティ強化のために2024年6月にNoname Securityを約4.52億ドルで買収し、コンピュート強化のためにLinodeやStorageOSなどの買収を実行して既存顧客への機能統合を進めています。加えて、株主還元面では2024年に合計560万株・約5.575億ドルを自社株買いに充て、2024年5月には2027年6月までの20億ドル枠を新たに承認しています。

新市場開拓と事業拡大では、同社は既存の配信・セキュリティ顧客に加え、企業のクラウド移行やAPI保護を狙った公共セクターや開発者向け市場を積極的に取りに行っています。EdgioやLumen、StackPathからの顧客契約取得(2023–2024年)や、政府機関向けの実績(米国国勢調査局、国防総省など)を武器に顧客基盤を広げ、買収後は顧客を同社プラットフォームへ統合して追加サービスを提供する計画です。さらに、契約に基づく将来収益の可視化(43億ドルの残存債務)を活かして、短期的な収益化と中長期のクロスセルを両立させようとしています。

技術革新への取り組みとして、同社は研究開発投資の継続と内部ソフトウェアの資本化で長期的なプラットフォーム強化を図っています。2024年には約9960万ドルを内部ソフト開発として資本化し、研究開発費も増加傾向で2025年もセキュリティとコンピュートに対する人員・技術投資を拡大する予定です。加えて、分散型ネットワークの運用データをAIや分析に活用して攻撃検知や性能最適化に役立てるとともに、買収技術の統合によってAPI防御やストレージなど差別化機能を速やかに市場へ投入することを目指しています。