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Autodesk, Inc.ADSK
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事業内容
Autodesk, Inc.は、建築・土木・製造・映像などの分野で使われる設計から製造・施工までのソフトウェアとクラウドサービスを開発・販売しています。同社はデスクトップソフトとクラウド機能を組み合わせたサブスクリプションを主力とし、共同作業やデータ連携、生成的設計やAIを活用した自動化で設計業務の効率化を進めています。
同社の主要顧客は建築事務所や建設会社、製造業、映画・ゲームなどの制作スタジオで、個人ユーザーから大企業まで幅広く使われています。収益は主に期間契約のサブスクリプションやクラウドサービス、企業向け契約(トークン型のFlexやエンタープライズ契約)からの継続的な収入が中心で、国際売上が総収入の大半を占めています。
事業は大きく設計領域(Design)と製造・施工領域(Make)に分かれており、AutoCAD、Revit、Mayaなどの製品群と、Autodesk Construction CloudやFusionなどのクラウド型ツールを揃えています。同社は自社開発と買収で機能を拡充し、直販や再販パートナーを通じた販売、技術サポートやトレーニングで顧客の導入と継続を支えています。
経営方針
同社はサブスクリプションとクラウドへの移行を成長の中心に据え、継続的な収益基盤の拡大を目指しています。具体的にはデスクトップソフトとクラウド機能を組み合わせた「サブスクリプション」やトークン方式の「Flex」などの提供モデルを推進し、顧客一人当たりの利用範囲拡大(既存顧客のポートフォリオ拡大)を重要な成長ドライバーとしています。株主還元の面では、取締役会が2024年11月に追加で50?($5 billion)の自社株買いを承認しており、2025年1月時点で2022年承認分の$3.88 billionと合わせて約$8.88 billionの買戻し余地が残っているほか、当期の四半期で合計1,384千株を平均約$299.30で買い戻すなど、配当を行わず自社株買いでの還元を重視しています(発行済株式数は2025年2月28日時点で約2.13億株)。
同社は重点投資分野としてクラウド基盤、プラットフォーム、そして人工知能(ここでは「コンピューターによる自動化と洞察」)に資源を集中しています。これにより設計から製造、建設までをつなぐワークフローの連携を差別化ポイントとし、生成的設計や自動化機能で「効率化」と「環境配慮」を訴求しています。研究開発は主に米国、カナダ、インドで行い、製品の多言語化や現地対応も進めることでグローバル需要に応え、サードパーティーやパートナーと連携するプラットフォーム(Autodesk Platform Services)でエコシステムの拡大を図っています。
新市場開拓と事業拡大では、建設分野向けのAutodesk Construction Cloudや新しい業界向けクラウド「Forma」を通じてAECO(建築・エンジニアリング・建設・運用)領域を深耕しています。買収も積極的で、2025会計年度にはPayapps、PIX、Aetherなどを取得し、支払管理や没入型レビュー、製造向けシミュレーションなど機能を補強しました。これらの買収は2025年度に合計で約$769 millionの取得対価が割り当てられており、特に建設分野での支払い処理や現場のデジタル化を通じた市場拡大を狙っています。また販売面では間接チャネルの取引モデルを刷新し、顧客との直接的な関係構築とデータ活用により営業効率を高める取り組みを進めています。
技術革新への取り組みは経営戦略の柱で、人工知能や機械学習、生成的設計に多額の投資を行って製品の自動化とインサイト提供を進めています。社内での開発に加えて外部技術の取り込みやパートナー開発も活用し、製品群を連結するプラットフォーム化で競争優位を維持しようとしています。一方で2026年計画として営業組織の最適化やリソース再配分を進める再編を実行しており、短期的なコスト増や人員調整のリスクを意識しつつ、長期的にはクラウド・プラットフォーム・人工知能への集中投資で持続的成長を図ることを目指しています。