エリアクエストJP:8912

時価総額
¥26.2億
PER
17.1倍
不動産ソリューション事業の有力企業。テナント誘致、更新・契約管理、ビル管理の3領域で、データベースマーケティングやパノラマクリーニングを活用したプレミア会員サービスを展開。連結子会社2社へ経営コンサルティングを提供。

事業内容

株式会社エリアクエストは、不動産ソリューション事業を主軸に、事業用ビルの所有者・経営者に対して収益性の向上と資産価値の維持・向上を目指すサービスを提供しています。同社は空室対策やテナント誘致、借主向けのオフィス開設支援などを通じてビルから得られるキャッシュ・フローの最大化を図っています。

主要な顧客はビルの所有者・経営者と、出店やオフィス開設を行う企業やチェーン店で、収益は契約成立時の成功報酬を中心に、管理契約料やメンテナンス、サブリース収入などで構成されています。同社は借主・貸主の情報を蓄積したデータベースを活用し、マッチング力を高めて手数料収入の安定化を図っています。

事業は大きく三本柱に分かれ、テナント誘致事業では立地調査から出店交渉、リーシング支援まで一貫して行い、更新・契約管理事業ではトラブル対応や売買仲介を含む契約サポートを行っています。ビル管理事業では清掃や法定点検を含むメンテナンス提供に加え、パッケージ会員サービスや必要に応じたサブリース対応など、総合的な運営支援を提供しています。

経営方針

同社は中長期的に安定した成長を目指しています。具体的には売上高経常利益率10%を目標に掲げ、配当性向は30%以上を維持する方針です。直近ではサブリース事業の粗利益が前年同期比で12.7%増となるなど収益構造の改善が進んでおり、景気変動に左右されにくいストック収入を基盤に置くことで次期以降の業績向上を図っています。また、積極的な人材採用や販売促進により営業力を強化していく計画です。

同社が重点的に投資する分野は、リノベーションを軸としたサブリースの拡大と、テナント誘致や契約管理といった管理系サービスの強化です。三つの事業部門で情報を共有し、貸主・借主双方に密着したサービスを提供することで差別化を図っています。顧客囲い込みを進め「問題解決力のある管理会社」を目指すため、現地調査や交渉力、メンテナンス対応力への投資を優先させ、パッケージ会員サービスなど継続収入を増やす施策にも注力します。

新市場開拓と事業拡大では、リノベーションサブリースの拡大を明確な数値目標に据えています。同社はリノベーションサブリース件数を2026年6月期に280件を目標とし、これを起点に安定したストック収入の裾野を広げる計画です。合わせて、出店やオフィス開設を検討する企業やチェーン店向けの支援を全国的に展開し、テナント需要を取り込むことで仲介手数料や管理契約の増加を図ります。

技術革新への取り組みとしては、貸主・借主の情報を蓄積したデータベースを活用し、マッチング精度と提案力を高めることを進めています。顧客管理システムや契約管理の電子化、点検・メンテナンスのデジタル化を進めることで運営効率を向上させ、予防保全によるコスト低減と稼働率の可視化で収益性改善を狙います。これらにより、従来の経験則に依存しないデータ駆動型の営業・管理体制を構築していきます。