魚力JP:7596

時価総額
¥343.7億
PER
34.5倍
鮮魚・寿司の小売・飲食・卸売の有力企業。セット寿司を中心としたテイクアウトや常時200~300アイテムの販売を展開。2025年3月11日に関連会社の株式を追加取得で連結化。首都圏中心に九州・タイにも展開。

事業内容

魚力は鮮魚や寿司の小売、飲食、卸売を主な事業とする企業です。首都圏の駅ビルや百貨店、スーパーなどにテナント出店して一般消費者向けに鮮魚やセット寿司のテイクアウトを中心に販売し、飲食店舗も展開しています。

同社の主要な顧客は一般消費者の店舗利用者に加え、食品スーパーや地方の荷受業者、飲食店、国内外の商社などです。収益構造は小売事業が中核で、卸売や飲食事業がこれを補完する形になっており、立地と鮮度・価格で競争力を高めています。

同社は事業を小売、飲食、卸売、その他の四つのセグメントで運営しています。小売では店ごとに常時200〜300品目程度を揃えて鮮度と値ごろ感を打ち出し、飲食ではテイクアウトのノウハウを生かした寿司店や海鮮居酒屋を運営、卸売ではスーパーや飲食店向けに商品を供給しています。

経営方針

同社は国内の基幹事業である鮮魚・寿司の小売力をベースに、国内外で活躍する「魚」総合企業を目指しています。経営の達成状況は売上高や営業利益を主要な指標と位置づけており、連結会計年度末時点で92店舗(うち小売店78店)という首都圏でのドミナント展開を強みにしています。成長投資は既存店の強化と収益性の高い出店に重点を置き、2025年2〜3月には福岡市に2店舗を出店するなど、既存圏外への展開も進めています。

同社は仕入れ力と鮮度管理を差別化の中核と位置づけ、バイイングパワー強化や原価低減に重点投資しています。各小売店では常時200〜300品目程度を揃え「旬」と「値ごろ感」を打ち出す売場づくりを推進し、鮮魚売場と併設する寿司店との連携を強めることで寿司販売を拡大します。さらに「魚力鮨」「魚力寿司」といったブランド確立を通じて品質での差別化を図り、労働生産性向上による販売管理費削減で粗利率の改善を目指しています。

同社は卸売事業を新たな柱と位置づけ、国内拡大に加え米国やアジアを中心とした海外需要取り込みに注力しています。国内ではターミナル駅近隣の商業施設や郊外大型施設を中心に採算性の高い物件を選定し、出店先の選定と既存店の収益性見直しを通じて「筋肉質な店舗網」の構築を進めています。加えて、Eコマースなど新たな販売ルートの開拓や養殖業者との資本・業務提携による安定調達も進め、供給変動への備えを強化しています。

同社は物流と情報システムへの投資でオペレーション革新を進めています。豊洲市場を拠点にチルド・冷凍物流の一本化や埼玉県魚市場の活用、物流拠点の見直しや配送ルートの再編、積載効率向上による車両削減でコストを抑える施策を実行しています。あわせてグループ情報システムのレベルアップや決算業務マニュアルの整備を進め、人員育成や経理体制強化(外部経験者の登用を含む)でガバナンスを高め、安定的な成長基盤を築こうとしています。