文教堂グループホールディングスJP:9978

時価総額
¥21.9億
PER
119.1倍
書籍・雑誌等の販売業の有力企業。書店チェーン運営と教育プラットフォーム事業を展開。報告セグメントは2事業で持株会社体制のグループ経営、関係会社による店舗運営と教材提供を展開。内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当。

事業内容

文教堂グループホールディングスは持株会社として、書籍販売と教育プラットフォーム事業を中核に事業を展開しています。 同社は主に書店の運営や書籍・雑誌の小売、教材や関連商品の販売を手掛けています。

同社の主要顧客は一般消費者や学生、教育機関で、店舗利用やインターネット経由での購入、学校向けの教材導入が売上の中心です。 収益構造は書籍・雑誌の販売が柱で、教育プラットフォーム事業は教材販売やサービス利用料で収益を補っています。

事業は報告セグメントで「販売業」と「教育プラットフォーム事業」の二つに分かれており、販売業では直営書店や流通を通じた商品提供を行っています。 教育プラットフォーム事業では教材の企画・販売や学習支援サービスを展開し、店舗事業と連携して顧客接点を広げています。

経営方針

文教堂グループホールディングスは収益力の向上と財務体質の強化を最重要課題と位置づけ、売上高経常利益率の改善と自己資本利益率(ROE)10%以上の安定的実現を目指しています。2019年の事業再生ADR手続で合意した再生計画を踏まえ、既存店舗の収益改善を第一に据えつつ、効率経営を通じた財務改善を進めています。同社はこうした数値目標を明確に掲げ、安定的な成長基盤の構築を目指しています。

重点投資分野としては、書籍販売を中核に据えつつ、収益性の高い文具・雑貨、トレーディングカード専門売場やガシャポンなどの導入拡大を進めています。具体的施策としては、仕入れ面でブックセラーズ&カンパニーからの調達比率を高めるとともに、仕入れを買切り方式に切り替えて原価構造を改善する取り組みを行っています。雑誌についても需要予測に連動した買切り仕入れを行うことで在庫効率を高め、既存店は36ヶ月連続で前年同月売上を上回る実績を出すなど差別化につなげています。

新市場開拓では、店舗を単なる書籍販売の場にとどめず教育プラットフォームと融合させる戦略を進めています。具体例としては子ども向けのプログラミング教育「HALLO」の導入や、学研と共同で開発したシニア向け脳活性プログラム「Gakken脳げんきサロン」、認知症サポーター養成講座の店舗展開などがあり、店舗での教室運営を通じて高齢者層や教育需要を取り込み、店舗と教室の相互送客で新たな収益源を創出することを目指しています。

技術革新への取り組みとしては、出版市場の電子化や需要変動に対応するため、需要予測に基づく発注精度の向上や本社業務の効率化を進め、人件費上昇の抑制と在庫回転率の改善を図っています。また、プログラミング教育の展開は教育サービスのデジタル化・人材育成にもつながる投資であり、今後はデータ活用や店舗のIT化を通じて顧客接点と在庫管理の最適化を図る方針です。同社はこれらの施策で収益性を改善し、ROE目標の達成を目指しています。