さくらさくプラスJP:7097

時価総額
¥125.1億
PER
14.5倍
子ども・子育て支援事業の有力企業。運営施設数88施設の認可保育所直営や職員研修、フェムケア・フェムテック商品などを展開。2018年4月の保育所保育指針改定に伴う指針整備やオンライン研修300講座超の実施。東京都23区を中心に千葉・埼玉・大阪で展開。

事業内容

さくらさくプラスは、子ども・子育て支援を中核とする企業グループで、直営の保育園ブランド「さくらさくみらい」を中心に保育所の運営や職員研修を行っています。経営理念に基づき「おうちのようなほいくえん」を掲げ、安全で安心できる保育環境の提供を目指しています。

同社は主要な顧客を保護者および地方自治体とし、収益は保護者からの保育料に加え、国や自治体から支払われる委託費や運営費補助金が中心です。直営施設は首都圏を中心に展開しており、連結会計年度末時点で約88施設を運営しています。

同社グループの事業は「子ども・子育て支援事業」の単一セグメントですが、保育運営のほか職員向けの集合・オンライン研修、不動産開発による子育て支援住宅の企画・仲介・管理、保育所開発、システム開発、進学塾運営やフェムケア・フェムテック商品の企画販売など多様な付随事業を展開しています。ソフト面(保育の内容や研修)とハード面(施設・不動産)を両輪に、利用者や働く保育士に選ばれる施設づくりを進めています。

経営方針

同社は中核の保育サービスを軸に「日本の伸びしろを、花ひらかせる」を掲げ、安定的な収益基盤の構築と営業利益率の改善を成長戦略の中核に据えています。直営保育園「さくらさくみらい」は首都圏を中心に約88施設を運営しており、少子化の進行(2024年の出生数は686,061人)という外部環境を踏まえつつ、当面は児童確保や人材採用・定着の優位性がある都心部での出店を優先して収益性を高める方針です。投資は先行する性格があるため数年かけて収益性を高める計画で、営業利益率を主要なモニタリング指標として進捗を判断しています。

同社は保育の質と施設の両面投資で差別化を図っています。保育理念「おうちのようなほいくえん」と幼児教育プログラムCLiPを軸に、人材確保のための年間採用や社宅制度、研修制度の充実、譲渡制限付株式による長期インセンティブ導入など具体的施策を講じています。また、不動産開発力を生かした子育て支援住宅の企画・開発や施設設計を強みとし、ソフト(教育・研修)とハード(施設・住宅)の両輪で利用者と職員に選ばれる環境を作ることを目指しています。

同社は事業ポートフォリオの拡大にも積極的で、新規領域の創出を成長の重要施策と位置づけています。保育所のICT化と情報資産を活用するため2021年4月に新会社を設立し、就学後の児童や保護者向けサービスの開発を進めています。さらに2024年9月に株式会社YELLを完全子会社化してフェムケア事業へ参入し、保育関連事業に依存し過ぎない収益源の多角化を図っています。自治体認定の子育て支援住宅など具体的な不動産案件も進め、金融機関借入・社債・株式発行など複数の資金調達手段で設備投資を支える計画です。

同社は業務効率化と技術革新を通じた生産性向上にも注力しています。情報通信技術(ICT)を活用した「さくらさくパーク」をはじめ、保育士の業務負担軽減や利用者との情報共有を進める取り組み、オンライン研修のサブスクリプション展開により職員教育のスケール化を図っています。これらは単に利便性を高めるだけでなく、情報管理やセキュリティ体制を整備した上で実行され、結果的に営業利益率の改善と保育サービスの付加価値向上につなげる方針です。