GlobeeJP:5575

時価総額
¥34億
PER
15.4倍
AI英語学習プラットフォームの有力企業。スマホ・Web向けAI教材とTOEIC対策コーチングを展開。サブスク比率は各四半期95%以上(2025年5月期)。日本国内中心に累計受験者数290万人(2025年5月末時点)。

事業内容

Globeeは、スマートフォン向けアプリとウェブで利用できる英語向けAI学習プラットフォーム「abceed」の企画・開発・運営を行っています。 同社は教材、学習ツール、テスト、スクールの機能をデジタルで融合し、AIで個別最適化やスコア予測を行うことで学習効率を高めています。

同社の収益は主に個人向けの有料サブスクリプション(Proプラン)が中心で、サブスクリプション売上比率は高い水準にあります。 法人向けの学習管理画面や学校向けプラン、プロコーチ付きのコーチングサービスも補完的な収入源になっています。

事業は教育サービスの単一セグメントで展開し、abceedは単語学習や問題演習、シャドーイング・ディクテーション、辞書、オンライン模試、解説動画など多彩な学習機能と1,200以上の教材をそろえています。 蓄積した学習データをAIに活用して個別に問題をレコメンドし、リアルタイムのスコア予測で学習プランを提示する点が同社の特徴で、出版社との教材ライセンスと高いオーガニックユーザー獲得率が競合優位性になっています。

経営方針

同社は「次世代のNo.1英語教育カンパニー」を目指しており、ユーザーと有料会員の拡大を成長の中心戦略としています。直近の数値目標としては、2025年5月期末で総ユーザー数を約558万人、期末有料会員数を11.7万人、対応教材タイトル数を1,230件と見込んでおり、TAM(市場全体)は約2,700億円、直近で着手可能な市場規模(SAM)は約1,000億円と試算しています。収益面では有料サブスクリプションが柱で、2024年3月にProプランを約2割値上げした実績があり、平均単価の向上を通じた売上成長も目標に据えています。

重点投資分野はコンテンツ基盤と法人営業・顧客対応体制の強化です。既存の資格試験対策や教科書コンテンツに加え、海外映画・ドラマ・アニメといったエンタメ系コンテンツのライセンス取得や自社制作を進めており、三省堂など出版社との提携拡大で教材ラインナップを広げています。学校や企業向けには営業とカスタマーサポートを増強し、研修導入やスクール要素(コーチング、チャットサポート、ライブ講義、課題配信など)をパッケージ化して法人収益を拡大する方針です。これらにより、幅広いユーザー層の獲得と差別化を図っています。

新市場開拓では学校市場の本格導入と企業・大学への展開を重要課題と位置づけています。学校現場では端末普及の進展を追い風に導入校数の拡大を狙い、提携出版社の拡大で教科書ベースの採用を増やす施策を実行中です。また、個人向けでは映画プランや英会話プランといった廉価プランを展開して新規ユーザー層を取り込み、会員数が拡大した段階で段階的に価格改定を行い平均単価を引き上げることで中長期的な売上成長につなげる計画です。

技術革新については人工知能(AI)を核に据えた投資を加速しています。既にスコア予測や問題の推薦といったエンジンを持ち、2024年8月にAI英会話機能を導入した実績があるほか、今後は自動で問題を作成する作問エンジンの開発などに注力していきます。開発体制の強化とUI/UX改善を通じて学習効果と利用継続率を高め、解説動画やプロ講師のコンテンツ追加でプラットフォーム価値を高めることで、有料会員の維持・単価向上を実現しようとしています。