リスキルJP:291A

時価総額
¥69.2億
PER
14.3倍
企業向け社会人教育事業の新興企業。biz研修とtech研修を公開講座・動画講座の形態で標準化した研修プラットフォームを提供。2022年5月に分社化して設立、研修実施プロセスのDX化で安価な価格設定を実現。2025年3月期の売上はbiz953,199千円、tech1,005,570千円。日本国内展開。

事業内容

リスキルは企業向けの社会人教育サービスを手がける会社です。同社は主力としてビジネススキルを学ぶ「biz研修」と、IT未経験者向けのエンジニア育成を目指す「tech研修」の二本柱で研修を提供しています。提供形態は一社研修、公開講座、動画講座の三つを用意し、対面・オンラインの両方で実施しています。

主要顧客はbiz研修が業種・規模を問わない企業全般、tech研修は主にIT関連や技術職を育てたい企業が中心です。収益は単発利用の契約が中心で、bizの一社研修は企業ごとの一律料金、公開講座や動画は受講者単位やレンタル・買い切りで収益化しています。同社は2025年3月期にbiz研修で約9.53億円、tech研修で約10.06億円の売上を計上しています。

同社は事業を「人材育成事業」という単一セグメントで展開し、研修コンテンツの標準化と実施プロセスのDX化で低コストかつ均一な品質を実現しています。biz研修は短期のビジネス研修をECサイトで販売・管理し、見積りや受講管理を簡便化しています。tech研修はプログラミングやインフラ等の未経験者向け長期育成に注力し、受講履歴や日報、AIによる質問対応などシステムで学習支援を行っています。

経営方針

同社は成長戦略として、顧客企業数の拡大を最重要のKPIに据え、国内でのシェア拡大とアジア展開による企業価値向上を目指しています。具体的には2025年3月期にbiz研修で約9.53億円、tech研修で約10.06億円の売上を計上しており、短期的にはbiz研修を成長ドライバーと位置づけています。市場環境としては国内の企業向け研修市場が年平均成長率約3.2%で堅調に拡大すると見込まれ、矢野経済研究所の推計では2024年度で約5,800億円規模とされているため、同社はこの成長トレンドを取り込む方針です。

同社は重点投資分野として、ビジネススキル研修(biz研修)とIT人材育成(tech研修)の二本柱に資源を集中させ、コンテンツの標準化と研修実施プロセスのデジタル化で差別化を図っています。具体的施策としては、マーケティングをウェブに限定せず多面的に強化すること、売上増に対応して営業担当を増員すること、採用手法の多様化や採用担当の増員に伴う採用費への投資、既存事業所の増床といった人員・組織面の拡充を行います。価格面では安価な設定を維持しつつ、標準化された高品質な研修を安定的に提供することで競争優位を保ちます。

海外市場の開拓については、2025年4月にシンガポール支店を開設し、成長性の高いアジア市場へbiz研修を中心に展開を開始しています。Skyquest の試算ではアジアの研修市場は2027年までに約29.2%の高い伸びが見込まれており、同社はこれまでのノウハウや研修コンテンツを活かして海外顧客の獲得を図ります。現時点では海外売上高の合理的な予測を計上していないものの、申込み管理システムの企業利用拡大や公開講座・動画講座の活用で、国内外ともに顧客の継続利用を高める計画です。

技術革新への取り組みとしては、研修支援システムを重要な付加価値と位置づけ、新サービス開発やサポート機能の追加に投資しています。学習履歴や日報の管理、AIを用いた質問対応など学習支援機能の導入で受講者の定着率を高め、研修実施の効率化を進めることで顧客利便性を向上させます。また、システム開発の速度向上に向けた投資やプロセス自動化により、受注の安定性・継続性を高めつつ、内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善を通じて財務基盤の強化も図っていきます。