ユカリアJP:286A

時価総額
¥338.4億
PER
12.1倍
医療機関への総合経営支援を中心としたヘルスケア事業の有力企業。入居相談・介護施設運営、コンタクトレンズの製造販売、治療経過データ解析を展開。2024年12月時点で提携医療法人数26法人。一都二県で12施設運営、全国9000施設以上の紹介ネットワーク。

事業内容

ユカリアは、医療・介護・ヘルスケア領域で多様なサービスを展開する企業です。同社は医療機関向けの総合経営支援を主力に、入居相談や高齢者向け介護施設の運営、コンタクトレンズの製造・販売、治療経過データの解析や製薬企業向け支援といった事業を手掛けています。現場に伴走する形で経営改善や業務効率化を進める点が特徴です。

主要な顧客は病院・診療所などの医療機関、介護を要する高齢者とその家族、一般消費者(コンタクトレンズ購入者)、製薬会社や金融機関です。同社はコンサルティング報酬や施設運営収入、製品販売、入居紹介の成功報酬、資金支援やファクタリング収入、データ・ソフトの提供料といった複数の収益源を持ち、金融機関や提携医療法人とのネットワークを通じて安定的に案件を獲得しています。

同社の事業は大きく医療経営総合支援、シニア関連事業、高度管理医療機器事業、その他(データ解析・製薬向け支援)の四つに分かれています。医療経営支援では経営コンサル、資金調達支援、セール&リースバック、院内のDX導入や人事・調達改善、建築・改修支援、事業承継・M&Aまで一気通貫で対応し、自社開発の人事・情報端末なども提供しています。シニア事業は全国ネットワークによる入居相談(約9,000施設)と自社運営施設の運営、認知症予防や食事プログラム、家族向け情報閲覧サービスなど独自の入居者向けサービスを展開し、コンタクトレンズ事業は子会社を通じてシリコーンハイドロゲル素材の主力製品を含む複数ブランドを販売しています。

経営方針

同社は安定した収益拡大と事業規模の拡大を成長戦略の柱としています。現状は医療機関向け支援で26病院を直接支援し、医療データとしては100万件以上の治療経過データを蓄積、シニア関連では全国10,000施設以上と提携しています。投資家向けには売上高と当期純利益を主要な業績指標と位置付け、正常収益力を示すEBITDAや提携医療法人数、入居斡旋件数・入居率もモニタリングすることで、中長期的に企業価値を高めることを目指しています。

同社は重点投資分野として医療経営総合支援、シニア事業、コンタクトレンズ製造販売および医療データ事業に資源を配分しています。差別化の源泉は「伴走型・現場重視」の支援スタイルと、地域金融機関や医療機関とのネットワークを通じた案件獲得力、自社開発のソリューションや外部アライアンスで補強したワンストップ提供にあります。具体的には経営分析や人事制度設計、建築コスト対策、資金調達支援まで一貫して行うことで、単発のコンサルでは得られない継続収益を確保しています。

新市場開拓と事業拡大では、地方銀行を中心としたチャネル強化と外部医療法人へのコンサル提供で提携先の裾野を広げる計画です。同社は提携医療法人以外への外部コンサルを増やすことで接点を拡大し、提携先獲得につなげる方針であり、シニア事業では入居相談員の増員と未出店エリアへの展開を進めています。またM&Aを成長手段の一つに位置づけ、過去にクラーチ等の買収で得たノウハウを活かして今後も関連分野での買収・提携を推進し、早期のシナジー創出を図っています。

技術革新への取り組みとしては、業務のデジタル化(DX)とデータ利活用を強化しています。自社端末や「ユカリアタッチ」といったソリューションの導入支援に加え、データサイエンティストによる解析で構築したデータレイクを基盤に、製薬企業向けのMR教育ソフトやマーケティング支援を提供しています。加えて、コンタクトレンズ事業では製品開発・承認取得のノウハウを生かしたコンサルティングを2023年から開始しており、技術とデータを組み合わせた収益機会の拡大を目指しています。