TMHJP:280A

時価総額
¥36.7億
PER
半導体製造装置・部品の販売・修理と中古装置売買支援のトータルソリューションの有力企業。2018年4月開設の越境EC「LAYLA-EC」に31.5万点超掲載を展開。2023年7月開設の競売サイト「LAYLA-Auction」を展開。大分本社ほか国内5拠点展開。

事業内容

TMHは、半導体製造装置やその部品の販売・修理を中核に、越境ECプラットフォームや中古装置の買取・売却支援を通じて半導体工場向けのトータルソリューションを提供しています。エンジニアによる解体・搬出・設置やプロセス調整といった現場作業も手掛け、装置の調達から稼働支援まで一貫して対応しています。

同社の主要顧客は国内外の半導体工場で、国内では半導体工場の半数以上が同社のプラットフォームを利用しています。収益は主に越境ECを通じた部品販売・修理による継続的な売上と、エンジニアリングを伴う中古装置の販売という二本柱で成り立っており、前者は再発注が見込める安定収入、後者は成立までにリードタイムがあるものの確度の高い案件が中心です。

同社は単一の事業セグメントで展開し、事業は大きく部品販売・修理、エンジニアリングを活かした装置販売、オークションを含む二次流通支援に分かれます。2018年開設のLAYLA-ECで世界の在庫情報を可視化し、2023年に開始したLAYLA-Auctionで不要装置の売却と搬出・輸出手続きを一貫して支援するなど、現場力とデジタルプラットフォームを組み合わせたサービスを展開しています。

経営方針

同社は半導体市場の拡大を背景に中長期的な成長を目指しており、売上高と営業利益の絶対額の拡大を重視しています。目標指標として売上総利益率25%、営業利益率15%を掲げており、これを達成することで企業価値の向上を図る方針です。市場環境としては、半導体市場が2030年に約160兆円まで成長すると見込まれ、アフターサービス市場も2021年の2.7兆円から2024年に4.1兆円へ拡大すると想定されるため、同社はこの成長トレンドを取り込むことを狙っています。

重点投資分野はプラットフォーム(越境ECなどのデジタル)と現場を支えるエンジニアリングの両輪です。具体的には在庫情報を可視化する越境ECサイト「LAYLA-EC」の国内浸透を進め、部品販売・修理による安定収入の拡大を図る一方で、解体・搬出・設置やプロセス調整など現場作業を担う技術者の育成にも注力しています。これにより単なる部品供給にとどまらない「調達から稼働支援までの一貫サービス」を差別化要因とし、中古装置の販売や二次流通支援で高い受注確度を確保しています。

新市場開拓や事業拡大については、2023年7月に開始した競売プラットフォーム「LAYLA-Auction」を活用して遊休装置の売却支援を強化するとともに、2024年12月に立ち上げた人材マッチングの「LAYLA-HR」で半導体現場の人材不足に応える計画です。熊本での大規模投資が進むエリアには営業拠点を設置して顧客に近接したソリューション営業を展開し、越境ECと現場支援を組み合わせたトータルソリューションを海外にも展開して販路拡大を目指しています。

技術革新への取り組みとしては、デジタルプラットフォームの機能強化とデータ活用を進め、部品・装置情報の集約や取引の利便性向上を図っています。具体策としてはLAYLA-ECの機能拡張やLAYLA-Auctionの運用改善、さらにエンジニアの知見をプラットフォームに反映させる仕組み作りを行っており、人材確保・育成(新卒・中途のバランスや評価制度の整備)にも投資することで、デジタルと現場力を融合した競争優位を確立しようとしています。