豆蔵JP:202A

時価総額
¥525.6億
PER
情報サービス関連事業の有力企業。クラウドコンサルティング、AIコンサルティング、AIロボティクス、モビリティ自動化の4区分を展開。連結子会社は3社で計4社。金融・通信・製造など大手顧客基盤を確立。生成AI活用の新規事業創出に注力。教育研修サービスも提供。

事業内容

豆蔵デジタルホールディングスは、AIやデータサイエンス、ロボット工学を軸に企業のデジタル化を支援する情報サービスの持株会社です。同社はデジタル戦略の策定から業務改革、システムの受託開発、技術者向け教育、産業用ロボットの開発支援まで幅広く手がけ、クラウドや生成AIを活用したソフトウェア主導の変革を支援しています。

同社の顧客は金融、通信、製造、商社などの大手優良企業が中心で、受託プロジェクトやコンサルティング、教育サービスなど複数の収益源で収益を得ています。近年はクラウド移行や内製化支援、生成AIを活用した新規ビジネス創出など、付加価値の高い案件の割合が高まっています。

事業はクラウドコンサルティング、AIコンサルティング、AIロボティクス・エンジニアリング、モビリティ・オートメーションの四つに分かれ、グループ内の各社が役割を分担して提供しています。具体的にはクラウド導入やERP導入、内製化支援と教育、AIを使ったデータ利活用とアルゴリズム開発、組込み系の技術導入やモデルベース開発、自動車や航空・船舶向けのソフト・ハード開発や工場の自動化支援を行っています。

経営方針

同社は中期経営計画(2025年3月期〜2027年3月期)を掲げ、既存事業の拡大と新規事業の探索を両輪で進める「両利き経営」により持続的成長を目指しています。評価指標として営業利益成長率や営業利益率、売上成長率を重視しており、量の拡大ではエンジニア数の増加を、質の向上では高付加価値案件の比率上昇やプライム受注の拡大を通じて利益体質の改善を図る方針です。実績面ではエンジニア数は2021年の708人から2025年に763人へ増加し、離職率は5.5%まで低下している点を成長基盤として活用しています。

同社はAIソフトウェア工学やロボット工学、クラウド、内製化支援・教育を重点投資分野と位置づけ、これらで他社と差別化を図っています。差別化の中核には独自の人材育成・知識継承モデル「豆蔵Way」があり、顧客との直接取引や上流段階からの関与、プロジェクトで得た知見の形式知化を通じて、顧客の内製化を支援する点を強みにしています。具体的な取り組みとしては、AWSの内製化支援パートナー認定を活用したクラウド移行支援や、AIロボティクス事業への戦略的投資を加速しています。

新市場や事業拡大では、金融・通信・製造・商社など既存の大手顧客基盤を軸に、クラウドコンサルティング、AIコンサルティング、AIロボティクス・エンジニアリング、モビリティ・オートメーションの四領域でのソリューション展開を深める計画です。顧客企業のDX準備段階から伴走し内製化を促進することで将来の継続案件につなげる戦略を取り、グループ再編やM&Aも選択肢として企業規模の拡大と技術獲得を進めます。なおグループ効率化を目的とした吸収合併を2025年10月1日に実行予定で、体制統合による収益性向上を図っています。

技術革新への取り組みでは、ソフトウェアとハードウェアを融合した「モノづくり×IT」の領域で技術蓄積を重視しています。生成AIやデータ利活用、モデルベース開発などを実務に取り入れ、短納期かつ高品質な成果提供で単価向上と高利益体質化を目指しています。具体策としては社内研修とナレッジ共有による人材育成、AIロボティクスへの重点投資、顧客向け内製化教育の提供により技術の水平展開を進めることで、顧客のデジタル競争力向上に貢献することを同社は目指しています。