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工藤建設JP:1764
事業内容
工藤建設は、建設工事の設計・施工・監理を中心に、不動産の売買・賃貸や建物の総合管理、さらに高齢者向けの介護施設運営を行っている企業です。受注工事と不動産・介護の複合的な事業を展開しています。
同社の顧客は自治体や民間企業、個人の住宅需要者や賃借人など多岐にわたります。受注工事はプロジェクトごとの売上が中心で、不動産では家賃収入や管理手数料、介護では入居料や介護報酬が収益源となり、管理・賃貸収入が比較的安定的です。
同社の事業は「建設事業」「不動産事業」「介護事業」の三本柱に分かれています。建設事業は土木・建築の設計から施工、戸建住宅の請負まで含み、不動産事業は保守点検や家賃収納代行、賃貸・売買の仲介や募集管理を連結子会社を通じて行っています。介護事業は主に介護付有料老人ホームの運営を担っています。
経営方針
同社は中期経営計画(2026年度を最終年度)に基づき「安定的に利益を創出できる事業基盤の構築」を目指しています。具体的には、連結子会社の編入(2025年7月1日付で松下工商を連結)を踏まえ、2025年度の連結業績目標を売上高24,974百万円、営業利益607百万円と設定しており、2030年に「未来・環境・幸福をつなぐリーディングカンパニー」を実現することを長期目標としています。収益力の強化、人財力の強化、サステナビリティの推進を三本柱とし、増収増益と株主価値の向上を図ることを経営の軸に据えています。
重点投資分野としては、従来のコアである建設・住宅に加え、不動産管理と介護事業の事業基盤強化に資源を振り向けています。建設分野では土地の有効活用提案や資産価値維持を意識した長寿命化工事、公共工事の受注拡大を通じて安定収益を確保する方針です。不動産部門では既存管理物件の収益確保と新規管理物件の獲得、保守・修繕サービスや省エネ設備更新の提案で付加価値を高め、サブリースでは適正賃料の確保と空室対策で採算管理を強化して差別化を図っています。介護部門では「住まい」と「介護サービス」の両面で商品性を高め、入居率向上と収益安定化を狙っています。
新市場開拓や事業拡大の計画としては、地域密着の強みを生かして神奈川・東京圏での受注拡大と管理物件の地道な拡充を図ります。自治体向けの防災・インフラ更新案件や、民間向けの土地有効活用事業を組み合わせることで受注の裾野を広げる方針です。また、介護分野では新卒採用の強化や職場定着支援、処遇改善で人材基盤を固めるとともに、関連不動産との連携で施設運営の受託や複合開発など新たな収益源を模索しています。本社管理ではキャッシュ・フロー重視の経営と内部統制の強化により財務健全性を高める施策を進めています。
技術革新への取り組みでは、情報通信技術(ICT)やデジタル技術を導入して施工の省人化と生産性向上を進めています。具体的には施工現場の効率化を目的とした工法改善、設計・施工データの一元管理によるミス削減、設備更新提案のための省エネ・長寿命化技術の活用を進めています。さらに、ガバナンスと環境対応を重視し、ESG(環境・社会・ガバナンス)を意識した材料選定や労務管理の見直しに取り組むことで、持続的な成長と事業の安定化を図っています。