ハンモックJP:173A

時価総額
¥63.4億
PER
9.8倍
ITを活用したネットワーク管理、営業支援、AIデータエントリー等のソフト開発・提供の有力企業。「AssetView」「ホットプロファイル」等のクラウド・オンプレ製品を展開。2021年7月にWOZEを提供開始、2024年10月にDX OCRを提供開始。日本国内の民間企業と官公庁向けに全国展開。

事業内容

ハンモックは、企業の業務効率化と情報管理を支援するソフトウェアの開発・販売を行っています。同社はネットワークソリューション、セールスDXソリューション、AIデータエントリーソリューションの三領域で製品と運用支援を提供しており、IT資産管理やセキュリティ対策、営業支援、帳票のデジタル化といった課題に対応しています。

主要顧客は民間企業から官公庁まで幅広く、大手から中小まで導入実績があります。同社はクラウドの月額課金やオンプレミスの販売・保守を組み合わせ、保守契約や利用料によるリカーリング収益を軸に安定的な売上を確保し、代理店経由と直接販売の両方で顧客接点を持ちカスタマーサクセスで継続率を高めています。

事業セグメント別には、ネットワーク領域でAssetViewシリーズにより端末管理やログ管理を一画面で統合し運用負荷を下げる仕組みを提供しています。セールスDXでは顧客情報の一元管理や新規開拓支援のプラットフォームをクラウドで月額提供し、AIデータエントリーではAnyForm OCRのオンプレ型やWOZE・DX OCRのクラウド型で帳票や手書きのデータ化を迅速に行えるサービスを提供しています。

経営方針

同社は安定した成長と利益率の向上を目指しています。事業はリカーリング型の収益に移行しており、リカーリング売上高の比率は既に8割を超えています。直近の業績指標では、売上高成長率が2024年3月期で7.2%、2025年3月期で9.9%、2026年3月期は8.8%を見込んでおり、営業利益は2024年が670,106千円、2025年が791,514千円、2026年予想で870,360千円と段階的な増益を想定しています。固定費比率の低下や顧客獲得コストの管理により、長期的に安定した利益確保を図る方針です。

同社はネットワーク、営業支援(セールスDX)、AIを使った帳票入力の三領域に重点投資しています。ネットワーク領域では端末管理のクラウド化を進め、「AssetView Cloud+」の投入でクラウド売上比率を2024年の30%から2025年に38%へ拡大させています。営業支援分野では名刺管理や顧客管理、見込み客開拓を一つのプラットフォームで提供し、AI機能を組み込むことで他社との差別化を図っています。OCR分野ではクラウド型の「DX OCR」やBPOサービス「WOZE」を通じて、帳票デジタル化のニーズに幅広く応えています。

同社は新市場の開拓と事業領域の拡大にも積極的です。自治体や教育分野向けのクラウド提案をガイドラインに合わせて強化し、既存のオンプレミス利用者のクラウド移行を促進することでリカーリング収益を増やす計画です。販路面では販売代理店や仲介パートナーの拡大、セミナーや展示会でのリード獲得、専任担当による導入支援・運用支援で継続率を高める施策を進めています。これらにより、新規顧客獲得と既存顧客の契約継続を同時に伸ばすことを目指しています。

同社は技術革新を成長エンジンと位置づけ、AIの実装と開発体制の強化に取り組んでいます。セールスDXには「AI議事録」や「AIアシスト」といった機能を順次投入し、営業効率の高い次世代プラットフォーム化を目指しています。OCR領域では2024年のDX OCRリリースにより帳票の自動仕分けや帳票設計不要の処理を可能にし、手作業削減を実現しています。開発は社内での迅速な製品化サイクルを重視し、人材採用・教育や情報セキュリティ体制(ISMS、Pマーク取得など)への投資を継続することで、安全性と機能性の両面から競争力を高める方針です。