情報戦略テクノロジーJP:155A

時価総額
¥132.5億
PER
50.3倍
DX関連事業の有力企業。0次システム開発とシステム開発者向けプラットフォームWhiteBoxを展開。2021年1月に正式サービス化、2024年12月末時点で会員2,753社・3万人超のスキルシート登録。国内中心に展開。

事業内容

情報戦略テクノロジーは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する事業を主軸に、顧客とエンジニアが一体となって短いサイクルで作りながら改善する「0次システム開発」と、システム開発企業向けのオープンプラットフォーム「WhiteBox」を提供しています。両サービスを通じて、従来の多重下請け構造をなくし、顧客の内製化とエンジニアの活躍環境づくりを目指しています。

同社の主要顧客は事業会社(エンドユーザー)の経営・事業部門にあるリーディングカンパニーで、直接取引を重視して新規開拓の営業を積極的に行っています。収益は主に受託開発によるプロジェクト収入と、WhiteBoxの会員向け月額課金(有料プラン)から成り立っており、エンジニアの稼働単価改善にも注力しています。

事業の柱である「0次システム開発」は、要件が固まっていなくてもプロトタイプ作りやスマホアプリ、システム統合、クラウド移行などを段階的に進め、顧客と協働して内製化を支援するサービスです。WhiteBoxは所属エンジニアのスキル管理を無料で提供しつつ、パートナー募集や案件掲載などの機能を有料で提供するプラン型のプラットフォームで、会員企業数や登録エンジニア数の増加を通じて業界の商流改革を図っています。

経営方針

同社は国内の大きな市場機会を背景に、売上高と営業利益の持続的な拡大を目指しています。経済産業省のデータでは受注ソフトウェア市場が2023年に10兆2,430億円、うちシステムインテグレーションが6兆6,684億円に達しており、IDCの予測では国内ITサービス市場は2024〜2029年で年平均成長率(CAGR)6.6%が見込まれています。こうした環境を踏まえ、同社は売上高や営業利益の拡大、0次システム開発を牽引する社員エンジニア数の増加、社員エンジニア1人当たり売上高の向上、WhiteBoxの総会員数拡大を主要な経営指標として成長を図る方針です。

同社は人材とプラットフォームへの重点投資によって差別化を図っています。顧客と共に短いサイクルで作りながら改善する「0次システム開発」を強みとし、多重下請け構造を排して直接受注を獲得することで不必要な中間コストを省き、競争力のある価格を実現しています。具体的には採用費の増加やリファラル採用の強化、給与水準や福利厚生の改善、評価制度の整備、社内勉強会によるスキル向上といった施策で優秀なエンジニアの確保・定着を進め、WhiteBoxは基本機能を無料で提供しつつ有料プランでの収益化を進めることで、プラットフォームとしての優位性を高めています。

同社は既存顧客の深耕と新規大手顧客の開拓で事業拡大を図っています。まずは小規模案件から大手リーディングカンパニーとの取引へと実績を積み上げ、スイッチングコストの高い顧客関係を維持して受注の継続性を高める戦略を取っています。併せてWhiteBoxの会員数増加を短期的な収益源とし、長期的にはシステム開発業界で欠かせないプラットフォームに成長させて業界の商流改革を促す計画です。事業拡大に対応するため、マネジメント人材やバックオフィス要員の採用・育成も進めています。

同社は技術革新の継続的な取り組みを重視しています。アジャイル型の開発を支えるスクラム運用ができるエンジニア育成を継続するとともに、クラウド(AWS)の認定エンジニアを増やし、人工知能やデータ解析、モノのインターネットなどをクラウド上で実装できる技術力を強化します。具体的施策としては資格取得支援や研修、社内ハンズオン、セキュリティテストの定期実施などを通じて技術力と情報管理体制を同時に高め、業界変革を支える技術基盤の確立を目指しています。